読書記録 月と六ペンス サマセット・モーム
こんにちは。hungryswallowです。
三連休だろうがコロナだろうが基本引きこもりなので悲しいくらい生活に影響がない。(買占めはやめてほしいですが)コロナウイルスのおかげで自分がいかに非リア充&孤独耐性強めということが分かりました。
サマセット・モームの「月と六ペンス 」を読み終えました。
読み終わったあとにもう1度読みたくなる小説です。人生でもう1度読みたいと思える本に出会えるのは、けっこう幸せなことだよなと。本を読めること、読む時間があること、それだけですごく恵まれてるよなと。脱線してしまいました...
さて、この本に出てくるストリックランドという男は、40歳を過ぎて、仕事も家族も捨てて絵の道に入ります。家庭も安定した仕事もあり、何不自由なく暮らしていた人間が全てを捨ててしまうのですから、周りから見ると全く理解不能です。
絵を描くということ、美を求めることに駆られて、そのためだけに生きる。世間体や見栄、社会的な地位や人からの評価、そういったものはどうでもよく、ただ美を描きたいという内側からの情熱に突き動かされて生きる。
こう書くと、崇高な生き方に見えるかもしれませんが、なかなか苦しい生き方だと思います。実際人からしたら狂ったように見えるし、嫌われます。それでも死ぬまで描き続けます。文字通り自分の全てを絵を描くことに捧げます。
人は何かに情熱をもつとここまでなるのか...と強烈な生き方に頭をガツンとやられます。真似したい生き方ではない、けれど心を震わせられる生き方。
自分は必要以上に世間体、見栄、人からの評価、つまらないものを求めて生きていないだろうか、それは自分にとって大切なものだろうかと考えさせられるのです。
ストリックランドとの会話のやりとりも面白いので印象に残った文章にちょっと載せておきます。
印象に残った文章
「有名になりたくないんですか?たいていの芸術家は名声に無関心ではいられないものです」
「子どもじゃあるまいし。なぜ顔も知らない連中の意見を気にする?知り合いの意見だってどうでもいいのに」
世の中にはおかしな人間がたくさんいておかしなことをしている。…人はなりたい姿になれるわけではなく、なるべき姿になるのだ、…