読書記録 食堂かたつむり 小川糸
元気がない時はおいしいご飯に限る。
ご飯を食べれるだけ自分いいじゃないと思うhungryswallowです。
今日は小川糸さんの「食堂かたつむり」を読み終えました。主人公の女性は、同棲していた恋人に家財道具や貯めていたお金を持ち逃げされ、そのショックから声を出すことができなくなります。地元に戻り、小さな食堂を始めます。料理をすることを通し自分を取り戻していく話です。
もし自分の好きな人に、裏切られたら、大事なものを一度にたくさん失ったら、どれだけキツイか。自分だったら立ち直れただろうか…読みながら、倫子(主人公の名前)、頑張れと思う自分がいました。(頑張れとか人に滅多に言わないようにしているのに 汗)応援したくなる主人公っているよね。
自分は丁寧な凝った料理は作れず、なんとか自炊してます程度ですが、料理にはパワーがあると思っています。昔失恋をした際に、ご飯が喉を通らない、食べられないという経験をしてから(あの頃私は若く弱かった)、食べられることに感謝するようになったし、その時間だけは幸せをかみしめよう、ご飯食べれるだけいいよねと思うようになりました。下手でも自分で作ったぞ!という達成感もあり。(ご飯炊けたわ~。電子レンジ使ったわ~くらいでも十分なのです)
そんな自分からすると、主人公が傷つきながらも誰かのために料理を作ろうとする姿はとても尊く見えます。
祖母や母親との関係も書かれており、自分の家族のことも考えながら読みました。
印象に残った文章は、母親から倫子に宛てた手紙の中から。こんなことを子供に言える母親は素敵ですね。
印象に残った文章
きちんと地面に足をつけて、呼吸しなさい。
あなたみたいに偏屈な子どもは、もっともっといっぱい遊んで、恋をして、世界を広げなさい。